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データ分析 ボートレース

歴代最高返還で幕を閉じた2021年ボートレースSG戦 SG全レース振り返り・返還ランキング

瓜生正義選手の優勝でボートレースグランプリ(賞金王決定戦)は幕を閉じ、2021年のSGレースはすべて終了しました。

SGレースを振り返るとともに、人気復活のボートレースグランプリ/グランプリシリーズ売上結果をまとめました。
また、41億返還で話題となったグランプリ優勝戦でしたが、過去の返還事故についても紹介しています。

2021年グランプリ 住之江 12月19日の優勝戦は瓜生正義選手が「まくり」で優勝

2021年のグランプリ(賞金王決定戦)は瓜生正義(福岡)選手が4号艇からの「まくり」で優勝。この勝利で瓜生正義選手の2021年賞金総額は1億8千万円を超え、グランプリ開催時点で賞金ランク1位の峰竜太(佐賀)選手を抜いて賞金ランキングでも1位となることを確実にしました。

瓜生正義選手は2016年に続いて2回目のグランプリ制覇。ただこのグランプリ優勝戦は別の意味でも世間を騒がすことになりました。

41億円が水の泡…なぜ住之江GP優勝戦で4艇転覆のボートレース史上最悪の大返還が起きたのか?|Yahoo!ニュース

インパクトがすごいですね、41億円。
1枠の峰竜太選手が1周目1マークで転覆。それに巻き込まれるかたちで4艇が転覆する事故となりました。

完走したのは4号艇瓜生正義選手と事故を免れた5号艇白井英治(山口)選手の2艇のみ。
4-5で人気薄、といった話しを超えて、3連単(3連複)がない!ということで、単勝・2連単など2艇までで決まる投票方式以外はすべて100円元返し(返還)です。

幸い転覆した4艇のボートレーサーには大きな怪我はないということで、ファンとしては一安心。そして、優勝戦の決まり手が「まくり」(「恵まれ」ではない!)となっていることが示すように、瓜生正義選手の1マークのまくりは完璧でした(逆に、その完璧なまくりが峰竜太選手のハンドルさばきの狂いを生んだ、とも言えるかもしれませんが、、、)。

6号艇毒島誠選手が転覆した瞬間、10億円が泡となって消えた

そもそもボートレースの投票はそのほとんどが3連単。1号艇峰竜太の人気がどうだった、とかいうことと関係なく、完走が3艇未満というその時点で9割以上の返還が確定します。

その結果、投票の96.1%以上にあたる、41億1426万3700円が返還(投票の合計額は42億7752万6800円)されました。

投票しているファン側の立場だと当たりも外れもせずそのまま返ってきただけ。すごい金額が賭けられていたんだなあ、という感じですが、主催者側からすると真っ青ですね。

ボートレースの投票(賭け金)は75%が払戻しとなり、残り25%が賞金や交付金・運営費といったものに使われます。41億円の4分の1(25%)ということは、あの4艇が転覆して完走が3艇未満となった瞬間、主催者の懐へ確実に入るはずだった10億を超えるお金がなかったことになったわけです。

6号艇6コース進入の毒島誠(群馬)選手が事故を避けられず転覆ボートに乗り上げたあの瞬間、10億円が泡となって消えたわけで。恐ろしい話しですね。

BOATCAST NEWS│グランプリ 瓜生正義、2度目の栄冠

目標売上金額を達成 SGグランプリ節間売上は240億

転覆したレーサーの無事が確認できてほっとすると同時に、今後住之江競艇場が峰竜太選手を呼んでくれなくなるんじゃないか(出場条件が決まっているSGレース以外はそうなることが濃厚)、という不安がよぎります。

とはいえ、返還金額のインパクトが示すように、優勝戦(幻の)売上金額が40億円超えという事実には驚きです。

この売上金額、グランプリの節間を通して見ると、

ボートレースグランプリ 2021年 売上

開催

日にち

売上

初日
12月14日
33億919万円
2日目
12月15日
34億6867万円
3日目
12月16日
39億3114万円
4日目
12月17日
38億5201万円
5日目
12月18日
47億4951万円
最終日
12月19日
47億6462万円
合計
6日間開催
240億7516万円
2021年グランプリ(住之江)開催期間中売上

今節のグランプリ、目標売上は230億円だったようで、ちょうど目標をクリアする節間合計240億円を達成していました。

41億ぶっ飛びがなければ、最終日の売上は約90億円に達し、節間の売上も300億円目前だったということで、ボートレース人気の復調が感じられる結果となりました。

グランプリ売上推移 堅調に増加傾向の節間売上

グランプリの節間売上ですが、ここ5年間(2017年〜2021年)の推移はこのようになっています。

ボートレースグランプリ 売上推移

開催年

開催場所

売上

2017年
住之江
153億3308万円
2018年
住之江
169億6434万円
2019年
住之江
204億7535万円
2020年
平和島
207億3499万円
2021年
住之江
240億0751万円
グランプリ/グランプリシリーズ売上推移

2017年の153億円から比較すると、2021年の240億円というのは約1.6倍。5年間の推移を見ても、売上が上昇傾向であることがわかります。

1991年に年間最高売上2兆2137億円を達成してから、2010年には年間8435億円にまで落ち込んだボートレース売上ですが、その後売上を伸ばしてきています。

2021年の売上がどうなるかというのも楽しみですね。

2021年 全SGレースの振り返り

グランプリだけでなく、他のSGレースについても結果とあわせて振り返ります。

第56回 ボートレースクラシック 福岡

2021年3月に開催されたボートレースクラシック。優勝は1号艇の石野貴之(大阪)選手でした。

得点率1位だった寺田祥(山口)選手は、初日のドリーム戦優勝から順調に高得点を稼ぎましたが、準優勝戦で3着に敗れて優勝戦出場を逃すという波乱。得点率2位の石野貴之選手が準優勝戦・優勝戦をきっちり逃げて勝利しました。

>> 第56回ボートレースクラシック 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年3月23日 - 3月28日 福岡 SG 第56回 ボートレースクラシック

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 石野 貴之
0.11(進入:1)
1’48″8
逃げ
2
2 篠崎 仁志
0.15(進入:2)
1’50″8
3
4 守田 俊介
0.13(進入:4)
1’52″1
4
6 毒島 誠
0.21(進入:6)
1’52″4
5
3 稲田 浩二
0.12(進入:3)
1’53″7
6
5 湯川 浩司
0.16(進入:5)
1’54″2

第48回 ボートレースオールスター 若松

5月に開催されたボートレースオールスター、初日が中止となり1日順延されましたが、2021年5月26日から31日までの6日間開催が行われました。

準優勝戦に得点率1位で進出した峰竜太選手が、準優勝戦・優勝戦と逃げを決めて優勝。王者の実力を見せつけました。

>> 第48回 ボートレースオールスター 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年5月26日 - 5月31日 若松 SG 第48回 ボートレースオールスター

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 峰 竜太
0.07(進入:1)
1’48″7
逃げ
2
4 佐藤 翼
0.11(進入:4)
1’49″8
3
2 白井 英治
0.08(進入:2)
1’51″2
4
3 菊地 孝平
0.06(進入:3)
1’51″4
5
6 秋山 直之
0.17(進入:6)
1’52″9
6
5 桐生 順平
0.11(進入:5)
1’54″4

第31回 グランドチャンピオン 児島

児島で6月に開催されたグランドチャンピオン。優勝戦では前本泰和(広島)選手が1号艇から優勝を決めました。

予選は5位で通過となった前本泰和選手でしたが、2号艇で出場した準優勝戦で1号艇の白井英治選手を下して優勝戦出場。準優勝戦では3戦すべてで1号艇が敗れるという波乱もありましたが、優勝戦はきっちり1号艇の前本泰和選手が勝利しました。

前本泰和選手は2013年のグランプリ(賞金王決定戦)シリーズ戦制覇依頼のSG優勝となりました。

>> 第31回 グランドチャンピオン 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年6月22日 - 6月27日 児島 SG 第31回 グランドチャンピオン

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 前本 泰和
0.07(進入:1)
1’48″5
逃げ
2
2 菊地 孝平
0.10(進入:2)
1’49″8
3
3 湯川 浩司
0.09(進入:3)
1’51″5
4
4 白井 英治
0.02(進入:4)
5
5 峰 竜太
0.08(進入:5)
6
6 松井 繁
0.16(進入:6)

第26回 オーシャンカップ 芦屋

7月には芦屋でオーシャンカップが開催されました。

オーシャンカップの勝利で14年ぶり5回目のSG制覇となったのは濱野谷憲吾(東京)選手。

予選から全レース連対(1着・2着)の得点率1位で突破した濱野谷憲吾選手が、優勝戦では2号艇の馬場貴也選手の鋭い差しを抑えて勝利。予選の勢いそのままに久しぶりのSGを勝ち取りました。

>> 第26回 オーシャンカップ 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年7月20日 - 7月25日 芦屋 SG 第26回オーシャンカップ

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 濱野谷 憲吾
0.15(進入:1)
1’49″5
逃げ
2
3 瓜生 正義
0.18(進入:3)
1’51″5
3
4 篠原 元志
0.18(進入:4)
1’52″4
4
2 馬場 貴也
0.18(進入:2)
1’53″1
5
6 平本 真之
0.19(進入:6)
1’54″0
6
5 峰 竜太
0.17(進入:5)
1’54″4

濱野谷選手のSG優勝は、遡ること2007年の第42回総理大臣杯(現 ボートレースクラシック)優勝依頼。

この後のボートレース返還特集でも取り上げている、.00スタート、そして植木通彦選手最後のSGとしても有名なレースです。

2007年 平和島 第42回 総理大臣杯 .01フライング vs .00フラットスタート 艇王最後のSG 17億円

第67回 ボートレースメモリアル 蒲郡

蒲郡ではボートレースメモリアルが8月に開催。優勝は原田幸哉(長崎)選手で、オール連対、2着は1回だけと、節間をとおして強さを見せました。

優勝戦も1号艇からコンマ4(.04)のトップスタートを決めて逃げきる強い勝ち方でした。

原田幸哉選手は出身が愛知県(三重県出生)で、もともとは愛知支部の所属でしたが、移住もあって2017年に長崎支部に転籍しています。子供のころから馴染みのある蒲郡ボートレース場で、嬉しいSG優勝(4回目)となりました。

>> 第67回 ボートレースメモリアル 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年8月24日 - 8月29日 蒲郡 SG 第67回ボートレースメモリアル

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 原田 幸哉
0.04(進入:1)
1’47″9
逃げ
2
2 平本 真之
0.09(進入:2)
1’49″0
3
3 白井 英治
0.12(進入:3)
1’50″1
4
5 濱野谷 憲吾
0.13(進入:5)
1’51″2
5
6 丸野 一樹
0.13(進入:6)
6
4 池田 浩二
0.14(進入:4)

第68回 ボートレースダービー 平和島

ボートレースダービーは平和島で10月に開催されました。

予選では得点率1位が峰竜太選手、2位が濱野谷憲吾選手でしたが、準優勝戦では3戦すべて2号艇が勝利するという結果となりました。準優勝戦の結果で優勝戦1号艇を獲得した平本真之(愛知)選手が逃げを決めてダービージャケットを獲得。

平本真之選手は3度目のSG勝利、初のダービー制覇となりました。

>> 第68回 ボートレースダービー 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年10月26日 - 10月31日 平和島 SG 第68回ボートレースダービー

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 平本 真之
0.11(進入:1)
1’48″4
逃げ
2
5 秦 英悟
0.15(進入:5)
1’49″7
3
4 峰 竜太
0.11(進入:4)
1’50″4
4
6 深谷 知博
0.20(進入:6)
1’52″0
5
3 白井 英治
0.20(進入:3)
6
2 辻 栄蔵
0.19(進入:2)

第24回 チャレンジカップ 多摩川

グランプリ前最後のSGレース、11月にはチャレンジカップが多摩川で開催されました(G2 レディースCC 同時開催)。

予選得点率トップで準優勝戦に進んだ辻栄蔵(広島)選手が優勝戦でも1枠を獲得しました。

優勝戦、最初の1マークでは2号艇瓜生正義選手の差しが決まり、その内側では4号艇桐生順平(埼玉)選手も素晴らしい差しを決めます。2号艇と4号艇の勝負になるかと思われましたが、1周2マークでその2艇がやり合うなか、辻栄蔵選手が差し返して勝利。迫力のあるレースでした。

>> 24回 チャレンジカップ 多摩川 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

開催日程 2021年11月23日 - 11月28日 多摩川 SG 第24回チャレンジカップ

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 辻 栄蔵
0.10(進入:1)
1’46″7
抜き
2
2 瓜生 正義
0.18(進入:2)
1’48″0
3
4 桐生 順平
0.13(進入:4)
1’48″2
4
6 山口 剛
0.10(進入:6)
1’49″6
5
5 中島 孝平
0.13(進入:5)
6
3 新田 雄史
0.15(進入:3)

第36回 グランプリ・グランプリシリーズ 住之江

第36回グランプリは瓜生正義選手が優勝。グランプリシリーズは新田雄史選手の優勝となりました。

グランプリは完走2艇の41億円返還で話題となっていますが、グランプリシリーズの優勝戦も2号艇西山貴浩(福岡)選手が転覆し、4号艇篠崎元志(福岡)選手が巻き込まれるかたち。

初日の12R(トライアル1st)も3艇が転覆するレースであり、事故のイメージが強く残るグランプリ・グランプリシリーズとなりました。

しかし、グランプリの瓜生正義選手・グランプリシリーズの新田雄史選手ともに、勝利には文句のつかない強さを見せたレースでした。

グランプリシリーズの優勝戦では、3号艇新田雄史選手のまくり差しで1マークのあとは1号艇中島孝平選手と2艇が並ぶかたち。2マークの旋回で新田選手が勝負を決めての優勝でした。

瓜生正義選手はグランプリ2勝目(2016年・2021年)ですが、偶然にも新田雄史選手はグランプリシリーズが2勝目(2017年・2021年)。今年はトライアル1stからシリーズ戦に回ることになった新田雄史選手ですが、来年の戦いにも期待したいところです。

>> 36回 グランプリシリーズ 住之江 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

>> 36回 グランプリ 住之江 優勝戦 |BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

住之江 11R SG 優勝戦

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
3 新田 雄史
0.13(進入:3)
1’54″6
まくり差し
2
1 中島 孝平
0.11(進入:1)
1’58″1
3
5 岡崎 恭裕
0.17(進入:5)
2’05″9
4
6 上野 真之介
0.17(進入:6)
2’09″6
-
2 西山 貴浩
0.15(進入:2)
妨害失格
-
4 篠崎 元志
0.15(進入:4)
転覆失格

住之江 12R SG GP優勝戦

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
4 瓜生 正義
0.09(進入:3)
1’52″7
まくり
2
5 白井 英治
0.05(進入:4)
1’58″5
-
1 峰 竜太
0.07(進入:1)
妨害失格
-
2 丸野 一樹
0.1(進入:2)
転覆失格
-
3 平本 真之
0.09(進入:5)
転覆失格
-
6 毒島 誠
0.1(進入:6)
転覆失格

グランプリ・グランプリシリーズの優勝戦振り返りについて、グランプリ優勝戦を中心にこちらの記事で紹介しています。

12月19日 SG グランプリ/グランプリシリーズ レース振り返り

返還レースランキング ボートレース歴代返還金額

今回のグランプリ優勝戦で注目を集めたボートレースの不成立返還ですが、やはり41億円返還というのは前例のない金額となっています。

過去の大きな返還は、2002年に宮島で開催されたグランドチャンピオンで起きた24億円というのがこの41億円に続きます。

ボートレース歴代返還


レース場

レース名

開催年

返還金額

原因

備考

住之江
グランプリ
2021年
41億1426万3700円
妨害・転覆(完走2艇)
宮島
グランドチャンピオン
2002年
24億3513万3800円
2艇のフライング
下関
笹川賞
1989年
19億3514万3500円
2艇のフライング
現名称:ボートレースオールスター
住之江
賞金王決定戦
2001年
18億5882万8200円
フライング
現名称:グランプリ
平和島
総理大臣杯
2007年
17億4522万7700円
フライング
現名称:ボートレースクラシック

ボートレースの返還というのは、多くの場合欠場によるもの。欠場のなかでも投票の返還に大きく関わるのはフライングです。

ボートレースでは、フライングまたは出遅れ(1秒以上のスタート遅れ)が発生すると、それをしてしまったレーサーは欠場あつかいとなり、関係する投票が返還されます。

スタートした後の転覆はそれだけでは返還となはりませんが、複数艇の転覆が発生するなどした結果、完走できなかったボートが4艇以上になると、成立しない投票方式(賭式)がでてきます。

返還となった理由についても、今回のグランプリ優勝戦はめずらしいものでした。

2002年 宮島 第12回グランドチャンピオン フライングによる最大返還額 24億円

返還金額:24億3513万3800円

グランドチャンピオンの第12回にあたる宮島での開催では、今垣光太郎(福井)選手が優勝しました。

優勝した今垣光太郎選手は3号艇。この優勝戦では、1号艇の西島義則選手と2号艇の熊谷直樹選手がフライング。1号艇・2号艇に関係する投票がすべて返還されました。

人気を集めた内枠2艇の返還となり、24億3513万円の返還。その返還割合は全体の92.8%(投票:26億2427万円)と、ほとんどの投票が返還されることになりました。

ボートレース大村公式|SG 第12回 グランドチャンピオン決定戦


SG 第12回 グランドチャンピオン決定戦

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
3 今垣 光太郎
0.17(進入:3)
1’47″2
恵まれ
2
5 濱野谷 憲吾
0.18(進入:5)
1’49″7
3
6 伊藤 誠二
0.08(進入:6)
1’50″5
4
4 高濱 芳久
0.18(進入:4)
1’50″5
F
1 西島 義則
-0.09(進入:1)
フライング
F
2 熊谷 直樹
-0.06(進入:2)
フライング

この返還は2021年のグランプリ優勝戦に次ぐもので、フライングによる欠場返還としては過去最大の返還となっています。

スタートのタイムを見ると、1枠・2枠が相当やりあって、3・4・5枠はかなりへこんだようなスタートだったことがわかります。かなり無茶なスタートだったと言えるかもしれません。

1989年 下関 第16回 笹川賞競走 SGフライングペナルティのルールを生み出した返還 19億円

返還金額:19億3514万3500円

1989年ということで、30年以上前のレースですが、下関で行われた笹川賞(現、ボートレースオールスター)で起こったフライング返還が歴代3位の返還です。

こちらも宮島のグランドチャンピオンと同じく、内枠2艇のフライングが原因で返還が発生しました。

当時は進入時の変化も多く、1号艇だから、2号艇だから人気が集まるというわけではなかったですが、それでも内枠というのは予選・準優勝戦の結果が示すもの。1号艇西田靖選手と2号艇荘林幸輝選手のフライングで、19億の返還となりました。

返還率は69.4%だったようで、2021年グランプリや2002年グランドチャンピオンよりは控えめな割合ですが、当時のボートレース人気を反映する返還金額となっていますね。

ちなみに、このフライング返還がきっかけとなって、「SG優勝戦でフライングするとその後1年間はSG出場停止」というルールが設けられたようで。かなりのインパクトがあるフライングだったようです。

1989 笹川賞(第16回 下関)

第16回 笹川賞競走

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
3 黒明 良光
0.02(進入:6)
2’26″7
まくり差し
2
5 角川 政志
0.25(進入:2)
2’29″1
3
6 上船 俊一
0.15(進入:5)
2’32″2
4
4 吉田 重義
0.12(進入:3)
F
1 西田 靖
-0.02(進入:4)
フライング
F
2 荘林 幸輝
-0.06(進入:1)
フライング

完全に偶然ですが、2002年のグランドチャンピオンと枠番と順位がまったく同じですね。

2001年 住之江 第16回 賞金王決定戦 前年の雪辱に燃える貴公子 単独フライング最高額返還 18億円

返還金額:18億5882万8200円

住之江のグランプリ優勝戦(当時の名称は賞金王決定戦)では過去にも大きな返還がありました。

デビュー5年目の1997年にSGを勝利し、賞金王決定戦は2001年で5年連続の出場となっていた山崎智也選手。2001年当時で27歳という若さとそのルックスで貴公子と呼ばれ人気を集めていた山崎智也選手ですが、賞金王決定戦で痛恨のフライングをしてしまいます。

前年2000年に平和島で開催された賞金王決定戦では6号艇で2着となっていた山崎智也選手。2001年の賞金王決定戦では5号艇でしたが、今年こそは、という期待も大きくかかり人気を集めていました。

5号艇に関係する投票は43.3%を占めており、18億の返還が発生。単独のフライングとしてはこれが過去最大の返還額となります。

第16回賞金王決定戦

SG 第16回 賞金王決定戦

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
1 田中 信一郎
0.04(進入:1)
1’44″9
逃げ
2
3 今垣 光太郎
0.03(進入:3)
1’46″7
3
2 今村 豊
0.06(進入:2)
1’48″7
4
6 松井 繁
0.08(進入:6)
1’50″8
5
4 石田 政吾
0.07(進入:4)
1’53″8
F
5 山崎 智也
-0.05(進入:5)
フライング

山崎智也選手はその11年後の2012年にグランプリ制覇。その後2015年にも制覇し、2度の賞金王に輝いています。

2007年 平和島 第42回 総理大臣杯 .01フライング vs .00フラットスタート 艇王最後のSG 17億円

返還金額:17億4522万7700円

最後に紹介するのは平和島で開催された第46回総理大臣杯。今の名称はボートレースクラシックの優勝戦です。

2007年の総理大臣杯、1号艇には艇王植木通彦選手。SGで超抜モーターを手にし、それまで完璧なイン逃げを見せつけていた艇王には誰も逆らえないだろうと思われていました。

優勝戦のスタートは横一線、そしてやはり艇王のイン逃げが完璧に決まり、1周1マークで瓜生正義選手を沈め、吉田弘文選手と濱野谷憲吾選手をぐんぐん引き離していく。全員がそうなるよな、と思ったレース展開が進んでいる中、2周目に入るところで1号艇返還のシグナルが、、、という展開でした。

艇王のスタートタイムはコンマ01のフライング。そして植木通彦選手がフライング欠場の結果優勝した濱野谷憲吾選手は、まさかの00フラットスタート!

この結果、売上の84.6%にあたる17億円の返還が発生しました。

2007年第42回総理大臣杯優勝戦

SG 第42回 総理大臣杯

順位

選手

スタート(進入)

タイム

備考

1
3 濱野谷 憲吾
0.00(進入:3)
1’47″0
恵まれ
2
2 吉田 弘文
0.05(進入:2)
1’48″9
3
4 瓜生 正義
0.03(進入:5)
1’50″3
4
5 井口 佳典
0.03(進入:6)
1’51″5
5
6 三嶌 誠司
0.06(進入:4)
1’52″5
F
1 植木 通彦
-0.01(進入:1)
フライング

この総理大臣杯(ボートレースクラシック)が植木通彦選手の最後のSGとなり、フライング休みが明けて一般開催を2戦した後の2007年7月に引退を発表。ボートレーサー現役生活20年の幕を下ろしました。