さあやってきました!!
11月29日(日)はジャパンカップ。過去最高に楽しみなジャパンカップという方がほとんどだと思います。
アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトの3頭の3冠馬が揃うジャパンカップ。よくぞ出走を決めてくれた!と関係者の方に感謝したいです。
もしコントレイル、デアリングタクトいずれかの生産者がノーザンファームだったら、絶対に実現してくれなかったでしょう、ありがとう!!とちょっと皮肉を言ってみたくなります。
圧巻の2018年ジャパンカップ アーモンドアイに死角はあるのか
3冠馬3頭が人気の中心となるのは間違いありませんが、1番人気はアーモンドアイでしょう。
今年のジャパンカップは、無敗の3冠馬2頭が最強馬アーモンドアイに挑む、という構造になります。
古馬になって比較的短い距離で出走することが多くなったと感じるアーモンドアイですが、この馬が本物の化け物だということを知ったのは、2年前のジャパンカップ、芝2400mを歴史上最も早く駆け抜けた姿を見たときです。
2分20秒6
もちろん天気や馬場の状態でタイムは大きく変わるもの。
タイムだけで馬の強さを判断することはできませんが、当時このタイムが掲示板に表示されたときには、全く信じられませんでした。
とにかくめちゃくちゃこの馬は強いんだ、最強馬はこの馬なんだ、という事実を突きつけられた気持ちになったことを覚えています。
衝撃の芝2400m世界レコードから2年、馬券の組み立てにおいてアーモンドアイの扱いをどうするかは、まずこの2点をどう見るかにかかってくるのではないかと思います。
- アーモンドアイに年齢的な衰えはあるのか
- アーモンドアイは1600mと2400mどちらが適距離なのか
安田記念でグランアレグリアに敗れ、天皇賞秋では最後フィエールマンとクロノジェネシスに詰め寄られながらの勝利、と以前の勝ちっぷりと比べると物足りなく感じる面もあります。
パフォーマンスで見ると、大なり小なり年齢的な衰えはあるのかもしれません。
血統面ではロードカナロア産駒。イメージとは違って長距離がだめということはなさそうですが、2400mの方がいいと言い切れるかは疑問。
唯一掲示板を外したのが、去年の芝2500mの有馬記念9着という点も気になります。とはいえ中山2500mというトリッキーなコースなので、単純に距離が影響したと考えていいものか、難しいところです。
あとは、大きなプラス材料としてルメール騎手は外せませんね。ルメール騎手は、天皇賞秋(アーモンドアイ)、エリザベス女王杯(ラッキーライラック)、マイルチャンピオンシップS(グランアレグリア)とGⅠ3連勝中。
アーモンドアイの結論としては、やはりルメール騎手込みで一番強いのはこの馬だと考えていいのではないかと思います。オッズ上はコントレイル、デアリングタクトが人気を持っていくことで、桜花賞以来の単勝2倍以上となることも考えられます。
一点怖いのは展開ですね。比較的前に付けられることで成績が安定していることがこの馬の強みですが、もしも逃げる馬がいなくて道中先頭に押し出されるかたちになったり、極端なスローペースでかかってしまったり、という展開になると難しくなるかもしれません。
恐らくトーラスジェミニが逃げるかたちにはなると思いますが、ジャパンカップの逃げ馬としては力不足な感もあります。
基本的には力を信頼しながらも、不利な展開や昨年の安田記念のようなアクシデントの発生も考慮しておく、というのが馬券上のアーモンドアイのポイントとなるのではないでしょうか。
3冠馬それぞれの”先輩”は両極端な結果に
コントレイルは菊花賞でシンボリルドルフ、ディープインパクト以来の無敗牡馬3冠を達成し、今回が初の古馬との対戦となります。
間違いなく、アーモンドアイの次世代を担っていく馬であり、今後の活躍が非常に楽しみです。
ただ今回のジャパンカップ、1週前の調教過程で聞こえてくるのは若干不安な声。菊花賞でアリストテレスにクビ差まで詰め寄られ、タフな競馬である程度ダメージもあっただろうとも考えられます。いいときの状態に完全には戻りきっていないと見てもいいかもしれません。
無敗牡馬3冠の先輩であるシンボリルドルフ、ディープインパクトも、ともに菊花賞後初の古馬との対戦で敗れ、無敗が途切れています。
シンボリルドルフ | 1984年 ジャパンカップ | 3着 | 勝馬 カツラギエース |
ディープインパクト | 2005年 有馬記念 | 2着 | 勝馬 ハーツクライ |
両方伝説に残るレースですね。奇しくも意外な馬が前目でレースを進めて捉えられなかった、という点も共通しています。
コントレイルの血統面では、ディープインパクトにアメリカ系牝馬(母父アンブライドルズソング)と、日本の芝で今一番あうメジャーな血統。距離という点では古馬に混じるとマイル~2000mの方が適距離なのかという気もします。
菊花賞からの上積みがないのであれば少し厳しいと見るのが素直な見方かと思います。逆にこれで勝ってしまうようだと、シンボリルドルフ・ディープインパクトを超える最強馬の証明ということになるかもしれません。
デアリングタクトは牝馬3冠を達成してからのジャパンカップ挑戦。2年前のアーモンドアイや2012年のジェンティルドンナと同じレース過程となります。
コントレイルの例と違って、デアリングタクトの先輩2頭はともに強烈なインパクトでジャパンカップを勝利しています。
ジェンティルドンナは直線で3冠馬オルフェーヴルとの叩きあいをハナ差制しての勝利。アーモンドアイは世界レコードを叩き出す圧巻の走り。
エリザベス女王杯が2週前に行われるということもあり、日本の3歳牝馬がジャパンカップに挑戦すること自体あまり多くなかったのですが、ジェンティルドンナ以降毎年1頭は出走してくるようになりました。
2019年 | 2着 カレンブーケドール |
2018年 | 1着 アーモンドアイ |
2017年 | 7着 ソウルスターリング |
2016年 | 16着 ビッシュ |
2015年 | 8着 ミッキークイーン 11着 ナイトフラワー |
2014年 | 5着 ハープスター |
2013年 | 2着 デニムアンドルビー |
2012年 | 1着 ジェンティルドンナ |
2-2-0-5の連対率44%という結果となっています。斤量面で恵まれているというのが好走の一つの理由でしょうが、やはりここに使ってくるというのはそれだけ関係者も自信を持って送り出しているということなのでしょう。
前走のダメージという点でも、アーモンドアイ、コントレイルと比較してデアリングタクトは優位かと思われます。秋華賞では、直線しっかり抜け出してからは無理する必要なく勝利していますね。
血統面ではエピファネイアの初年度産駒。初年度産駒という点もアーモンドアイと共通しています。
まだ産駒の特徴が見えてくるのはこれからかもしれませんが、比較的芝の長い距離で使われて成績を出しているのがエピファネイア産駒。エピファネイア自身も菊花賞、ジャパンカップを勝っているように、東京2400mでしっかり実力を発揮できるのではないでしょうか。
伏兵の台頭はあるのか 三つ巴はすんなり決まらない
3頭が強いのは間違いありませんが、何が起こるかわからないのが競馬の面白いところ。
3強の競馬で3頭きっちり来るというレースはあまり多くありません。何かしらの人気薄馬が3着以内に入りこんでいることがほとんどです。
サートゥルナーリア、ラヴズオンリーユーが回避したことで、人気上はカレンブーケドール、グローリーヴェイズあたりが3頭の次に来そうです。
カレンブーケドールは特徴的な戦績で、現在4戦連続2着。
去年のジャパンカップでも2着に入っており、今年は産経賞オールカマーを着差なしの2着の後、ジャパンカップに挑みます。
勝ちきれない運というのもあるのでしょうが、いつGⅠを勝ってもおかしくない戦績です。
ただ、超一流の力があるのかと考えたとき、これまでに負かしてきた馬を見ると少し疑問。毎回津村騎手が最大限力を引き出してレースをしているが、実力が少し一流馬に届かない、という見方もできるのではないでしょうか。
カレンブーケドール、個人的には、少なくとも超一流の馬が3頭いる今回は厳しいだろう、という見立てです。
グローリーヴェイズ、ユーキャンスマイル、ミッキースワローは、ローテーション的にもしっかりジャパンカップに調子を合わせて来れるはず。
特にグローリーヴェイズ。東京競馬場では走ったことがありませんが、力を出し切ったときにどこまで走れるのか、まだ底を見せていないと考えると楽しみです。
その他に注目すべきは、今回人気を落としそうなキセキ。
実力馬であることは間違いなく、海外遠征後に落とした調子が戻ってきていると見てもいいのではないでしょうか。
昔は逃げるかたちでいい成績を出していましたが、2走前の京都大賞典では最後方に位置して上がり最速の2着。
今回はその京都大賞典と同じ、浜中騎手が騎乗予定です。
イチかバチかの騎乗をされてそれがレース展開にはまったときには、3強にとっても非常に怖い存在になります。
有終の美か無敗継続か 馬券のまとめ
アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトの評価をどう並べるのか、伏兵の取捨選択をどうするのか。
少しコントレイルにはネガティブ、デアリングタクトにはポジティブな情報が多いですね。
現役最強馬を信じてアーモンドアイか、斤量差込みでデアリングタクトが最強牝馬のバトンを受け継ぐと見るか、コントレイルがシンボリルドルフ・ディープインパクトも阻まれた壁を突破すると見るのか。グローリーヴェイズ、キセキあたりの伏兵が複勝圏内に入ってくることもしっかり考慮して馬券を組み立てたいですね。
いずれにせよ、3冠馬3頭が揃ったこれまでになく楽しみになったジャパンカップ。
アーモンドアイが有終の美を飾るのか、コントレイル・デアリングタクトが無敗を守ることができるのか、純粋にレースを楽しみたいですね。