11月22日(日)には、第37回となるマイルチャンピオンS(GⅠ)が行われます。
京都競馬場が改修中の今回は、阪神の外回り1600mで開催されます。桜花賞や朝日フューチュリティS、阪神ジュベナイルフィリーズと同じ舞台ですね。
フルゲート18頭で、11月15日(日)の発表時点では17頭が登録しています。
グランアレグリア1強?3歳馬の評価はどうなる?
人気はグランアレグリアの1強となりそうなムード。次にサリオス、インディチャンプあたりが来て、その後去年のNHKマイルCの覇者アドマイヤマーズや、今年の桜花賞2着・NHKマイルC2着のレシステンシア、という並びになりそうです。
その後は3歳NHKマイルC勝馬のラウダシオン、前走1番人気を大きく裏切ってしまったかたちのサウンドキアラ、ラウダシオンを富士ステークスで下したヴァンドギャルドと続きます。
4回目のマイルチャンピオンシップSとなるペルシアンナイトはその後。1着→2着→3着で望む4回目ですが、大穴と言っていいオッズになるかと思われます。
GⅠ3連勝なるか、今年絶好調のグランアレグリアとルメール騎手
グランアレグリアはあのアーモンドアイをねじ伏せた安田記念・スプリンターズSとGⅠを2連勝して挑みます。
安田記念の前は高松宮記念でタイム差なしの2着ですし、今年の成績は言うことなしで、今回は堂々の1番人気ということになるでしょう。
騎手も日本トップジョッキーの名をほしいままにしているルメールがスプリンターズSに引き続き騎乗。去年同じ舞台の桜花賞を完勝(0.4秒差)、1400mの阪神Cでは2着に0.8秒をつける圧勝と、阪神競馬場のコース実績も抜群です。
くせを付けるとしたら、JRAの公式データ分析でも紹介されていますが、過去のマイルチャンピオンシップS、1番人気が10連敗中という点でしょうか。
過去10年の1番人気成績は0-3-2-5で勝率0%となっています。
開催年 | 馬名 | 着順 | 単勝オッズ | 騎手 |
---|---|---|---|---|
2019年 | ダノンプレミアム | 2着 | 2.4倍 | 川田 |
2018年 | モズアスコット | 13着 | 3.4倍 | ルメール |
2017年 | イスラボニータ | 5着 | 3.9倍 | ルメール |
2016年 | サトノアラジン | 5着 | 3.8倍 | 川田 |
2015年 | イスラボニータ | 3着 | 3.2倍 | 蛯名 |
2014年 | ミッキーアイル | 13着 | 4.4倍 | 浜中 |
2013年 | ダノンシャーク | 3着 | 3.8倍 | 福永 |
2012年 | グランプリボス | 2着 | 4.0倍 | 内田 |
2011年 | リアルインパクト | 5着 | 4.2倍 | 福永 |
2010年 | ダノンヨーヨー | 2着 | 3.7倍 | スミヨン |
ルメールが意外とこのパターンに当てはまっているのが気になりますね。
ただ、過去10年で1番人気の倍率が最も低いのが去年のダノンプレミアム2.4倍ですが、恐らくグランアレグリアの倍率はそれより低くなるのではないでしょうか。
もっとも、今回は京都ではなく阪神に舞台を移すわけですから、完全に無視してもよさそうなデータかもしれません。
ちなみに京都1600mと阪神1600mにおける1番人気の勝率は、
- 京都外回り1600m 32.8%
- 阪神外回り1600m 39.2%
※直近3年
と、阪神の方が明らかに1番人気の信頼度が高いことも、ジンクスは関係ないよと言ってくれているようで、無視する後押しになります。
サリオスの適正はマイルなのか トップクラス3歳のマイルチャンピオンシップS参戦
二番人気のサリオスは、戦績を見れば例年だと圧倒的1番人気になっていたとしても何の不思議もない馬。
というより通常3歳でこの競争過程でマイルチャンピオンシップSに出てくるというのが異例なこと。
クラシック路線を外れて距離短縮といっても、毎日王冠を勝つのであれば通常だと天皇賞秋かジャパンカップ、香港カップあたりでしょう。
コントレイルを避け、同じクラブ馬のアーモンドアイと被らないようにここを使うのか、と思うとネガティブな印象を持ってしまいますね。
ハーツクライ産駒だしどちらかというと長い方がいいのでは、なんていうことも考えてしまいますが、2歳の冬に同じ舞台で朝日フューチュリティSを完勝しているように適正がないはずはありません。
インディチャンプとグランアレグリアは勝負付けが済んでいる、と考えるのであれば、まだ3歳で未知の部分が多いサリオスに期待する部分は大きいでしょう。
あとは、騎手がルメールからデムーロに変わることをどう捉えるか、でしょうか。
単勝人気で3~5倍に落ち着くのではないかと思っていますが、グランアレグリアの人気が過熱した反動で2倍台まで下がる可能性もありますね。2強モードで盛り上がってしまうと、馬券的なうまみはなくなってしまいますね。
インディチャンプ・アドマイヤマーズの勝負付けはもう済んだ?
実績を考えると、今回馬券的にうまみがありそうなのがインディチャンプとアドマイヤマーズの実力馬2頭。
インディチャンプは、阪神に舞台が変わることがどう出るのか。条件戦(元町S)で勝利実績がありますが、その2018年以降阪神では走っていません。
同じ坂のある中山では、3戦前中山記念で4着。
安田記念ではアーモンドアイに続いての2番人気でしたが、今回人気が落ちてしまうのは仕方のないところか。
ただし、力差が出たように見える安田記念ではレース中の落鉄も影響したようで、本来の力が発揮されれば、昨年のマイル王が安田記念のリベンジを果たす姿も想像できますね。
アドマイヤマーズは、今回も安田記念に引き続き、馬券上うまみのあるオッズがつきそうです。
海外の香港マイルを含めたマイルGⅠ3勝馬ですから、安田記念と同じく単勝20倍前後となるとどうしても目がいってしまいますね。
サリオスと同じ朝日フューチュリティS勝馬。パワー型なイメージのダイワメジャー産駒で、阪神に変わることも味方をするのではないでしょうか。
3歳素質馬をどう見る? 馬券ねらい目のまとめ
レシステンシア、ラウダシオンは今年のNHKマイルCの1・2着馬ですね。阪神で行われることを考えると、レシステンシアへの期待は高まります(阪神ジュベナイルフィリーズ1着、桜花賞2着)。
レシステンシアはルメールからの乗り替わりですが、鞍上は先週エリザベス女王杯で2着に突っ込んできた北村友一ジョッキーとなります。阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったときには北村ジョッキーが乗っていましたね。
NHKマイルCからの直行となるのが気がかりですが、現代の競馬は厩舎に戻る前にかなりしっかり作り込まれているので大丈夫なのでしょう。
マイルチャンピオンシップSのまとめとしては、盤石に見えるグランアレグリアをどこまで信用するか、戦績の少ない3歳(サリオス、レシステンシア、ラウダシオン)をどう評価するか、というのがキーになるのではないでしょうか。
私としては、阪神になることも加味して、基本的には実力通りに決まるだろうという見立て。人気に逆らわずグランアレグリア中心。
3歳馬が思ったより強かった、逆に3歳馬はまだ力不足だった、というケースもカバーできるよう気を付けながら、人気サイドで馬券を組み立てたいと思います。